『火の鳥(宇宙・生命編)』【手塚治虫】を読んだ感想を書いてみた

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火の鳥シリーズ

の3作が、ネットでも傑作とされており、読むべきものとする評価が多い。

今回は最後の感想になる、宇宙・生命編の感想を書いてみる。

『火の鳥(宇宙・生命編)』【手塚治虫】を読んだ感想

宇宙編

宇宙広しといえども地球の生命の常識が通じるのは地球だけ、そのことが火の鳥シリーズでは壮大に描かれるが、この宇宙編も例外ではない。

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どちらかというと私的な物語

しかし、この宇宙編が特徴的なのは、極めて私的な物語であり、私的な人生に焦点を当てているという点で、壮大な人類全体に影響するテーマを扱った未来編や、国の一大プロジェクトともいえるテーマを扱った鳳凰編生命編とも一線を画すものである。

シリーズの中でも難解

物語は、制御不能となって脱出カプセルで宇宙空間を漂ようことになった宇宙飛行士達をめぐる物語であるが、そこに珍しく火の鳥が大きく介入してくることによって物語を複雑にしていくし、未来編鳳凰編と比べてテーマ性が見えにくい。

人類への憎悪

おそらく、人間の自然に対する扱いへの警告がテーマだろうと思わわれるが、そこには生命への愛と人間への憎しみが透けて見える辺り、自分の思想と近いものも感じるし、エントロピーの増大に反するような若返りや不老不死を扱うところもまた興味深い。

後味の悪い終わり方

火の鳥シリーズは、兵どもも夢のあと的とでも言おうか、全てがリセットされたようにゼロに戻ったりスッキリと終ることが多い印象だが、宇宙編は必ずしもそうではなかった。

ラスト引用

はるか宇宙のはて・・・

もう二度とさがしだせない銀河のかたすみに

流刑星があって

そこには、永久に閉じ込められた

ナナの姿が嵐の中にゆれていることだろう

われわれの罪を一手にうけて・・・・・

生命編

人類への警告

宇宙偏と同じく重いテーマ、人類への警告が続く。

舞台は未来、人間たちはクローン技術を駆使してそれは娯楽の世界にまで及んでいた。クローンで猛獣を作り、それをハンティングするというテレビ番組では満たされなくなり、人間のクローンを刈るという恐ろしいアイデアを実現させようとした。

謎の鳥人間

宇宙編とは違って、火の鳥は登場しないがその役割を鳥人間がはたして、人間に審判をくだす。それは主人公がクローン人間になってしまうということで恨みを引き継ぎ、最後は気持ちの良いラストを迎えることになる。

ジュネ

私は鳳凰編ブチが好きだが、おそらく火の鳥ではもっとも人気のある女性キャラではないだろうか、本当に何気ないカットが美しくて生命を感じさせる。

絵のうまさ

生命編は、編のすべてが躍動感にあふれダイナミックな戦闘シーンで、すべてのページが見逃せない。その中で見せる手塚治虫の絵の上手さ、線の美しさが存分に堪能できる。

火の鳥の書評は難しい

文章を考えていると、その必然性がないように感じられてくる。まるで聖書や仏典のように、火の鳥がただそこに存在していることが、正しいことであるかのような存在である。プラスやマイナスを超越してしまった感がある凄みをまとった絵が、自分の無能さをますます浮かび上がらせる。

人類なら、いや少なくとも日本人であるならば、触れるべき存在として永遠に大きくなっていく現代の聖典である。

使用画像©『火の鳥』宇宙・生面編

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