葛飾北斎、富嶽三十六景~奇想のカラクリ~(太田記念美術館)感想。

Pocket

原宿の太田記念美術館で北斎を観てきました

北斎ブーム

葛飾北斎の娘、葛飾応為のドラマができたり、北斎の人生がクローズアップされたり、北斎が改めて注目を浴びてブームといえるようなものが来ている気がします。一日NHKをつけていると、一度は北斎という名前を聞く機会があるように思います。

それにあやかった展覧会なのでしょうか、太田記念美術館で全46点の富嶽三十六景が一挙に公開!ということで観てきました。それからNHKでも特番をやっていた葛飾応為さんの「吉原格子先之図」も特別公開されており、それも見どころとなっていました。

≪神奈川県沖浪裏≫

富嶽三十六景

正直あまり浮世絵というものはみたことがありません、写楽や広重だったでしょうか?、数年前に三鷹駅前の美術館の浮世絵展で観たぐらいで、北斎は初めて観たような気がします。最初の機会で、富嶽三十六景の全46点の作品がみれたのは運が良かったと思います。

凱風快晴

凱風快晴(がいふうかいせい)といえば、テレビ東京系列の「美の巨匠たち」でも10年ぐらい?前に観た気がしますね、まだ美大生だったような気もします。一番最初に展示されていたのですが、これが一番良かったです。有名なビッグウェーブとか、斬新な構図の傑作がたくさんあったのですが、やはり赤富士が一番でした。

雲がスゴイ

富士じゃなくて雲が描きたかったんだな、この絵をみてそう感じました。それぐらい実物は背景の雲が主張しており、ブルーの美しさが斬新な雲の形を際立たたせていますが、それは実物しか感じることができませんでした。

色彩の透明感がスゴイ

一番驚いたのは浮世絵の色がすごくきれいだということです、まるで透明水彩のようなきらめきを帯びており、これは実物を観ないと分からなかったことで、他の作家の浮世絵とは全く違うと感じました。特にプルシャンブルーを使ったという青に特徴があり、北斎ブルーとでもいえるような世界を堪能できます。とにかく実物は色が綺麗です。

葛飾応為

展覧会のハイライトは娘の応為(おうい)さんという印象を受けるぐらい、クローズアップされていました。応為さんだけの図録まで売られていたのには驚きました、それが飛ぶように売れていました。

吉原格子先之図

この絵が凱風快晴に並ぶ別格の良さでした、女性が描いたとは思えないようなドラマティックな光と影、空間表現が卓越した絵画で、間違いなく名作です。現代にも通用するようなモダンさを備えており、非常に斬新な印象を受けました。

今後、葛飾応為の名声がますます高まっていくのではないでしょうか。

まとめ

東京に在住の人は行って損はないと思います、北斎ブームとあって火曜でも人が多めでしたが、美術館の内装や照明、見せ方もよくて絵をひきたたせていました。

とにかく北斎親子の色彩感覚の良さが際立っていると思います、それは印刷物では味わえないことだと思いました。

日本人として、誰が観ても損がない美術展だと思います。

関連記事

宮崎進を観てきました(多摩美術大学美術館)。 美術展にハマっています。 無職にも慣れてきた 無職も11ヵ月となり、少し心に余裕がで...
『昭和の洋画を切り拓いた若き情熱』展 一九三〇年協会から独立へ(八王子市夢美術館) 佐伯佑三の絵が展示されてるということを八王子市市報で...

にほんブログ村 海外生活ブログへ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする