インド旅行記9

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ニューデリー

ブッダガヤーを3時間遅れで出発したマハボーディーエクスプレスは、到着予定時刻を8時間以上もオーバーした31日の午後一時に、まだデリーに着かなかった。ストップしてまた走り出し、また停止して待ち合わせである、一度遅れると遅れを取り戻すのは難しいのだろう。

しかし、インドの個人旅行をしたら2、3時間でどうこう言ってられない。場合によっては2,3日も動けない場合もあるので、待つことにすっかり慣れてしまうのである。またインド人達が、私たちと違う時間を生きているのであって、そういう時間も受け入れてしまうのだ。

私は初めて車内で、チャイ売りからチャイを買って飲み、インド人のように窓から器を投げ捨てる。少しインドに心を開いてきたのだろうか、途中停車の小さな駅で素晴らしい楽団の演奏が聴こえる。窓からその演奏をみて、異国の魅力が今、確かに体を包んでいるのが分かった、今回の旅で最も幸せだった時かもしれない。

ジリジリと照りつけ始めた真昼の太陽が車内にすいこまれていく、いつも到着はわりと突然だ。駅前のリクシャーや客引きはあまりうるさく感じなかった、私はホテルまで歩くと決めていたので、徒歩で商業の中心、コンノートプレイスを目指した。銀行やショップ、旅行会社が野球スタジアムくらいの広さの土地に、円形状に迷路のように広がっている、そこを通り過ぎると、なんとか目星をつけていたYMCAホテルに着く。私の旅行力もずいぶん上がったということを実感する、YMCAを選んだのは、なんとしてもAC付の部屋にしたかったことと、エアーインディアのオフィスが近かったためだ。少しでも良いホテルで体調を整え、日本へのフライトに臨みたかった。

私は荷物を置いてすぐに、エアーインディアのオフィスへ行くことにした。歩き方に乗っている大きなビルに行ってみたが、ここではないと門番に言われてしまう。ワーワー騒いでいるとすぐに5、6人の人だかりができる、エアーインディアと聞いて詐欺旅行会社や、単なる世話好きな人など、色々な人が集まってきた。

「ネパリか(ネパール人か)」

「リクシャーよ、バスよ」

と大騒ぎである、私は30分以上集まった人々に翻弄されたが、どうやらエアーインディアオフィスは場所が変わってしまっていることはハッキリしたので、間に合うか分からないが行ってみることにする。オフィスは5時半までらしいのだが、もう4時になろうかという時間だった。皆が一緒にリクシャと交渉してくれ、60ルピーで行ってくれるらしいので乗り込む。
運転手がここだといって私を降ろし、素直に60ルピーを受け取ってくれた。

なるほどなかなか遠い、徒歩では無理だった。時刻はもう4時半をまわっている、私は55番というものものしい整理券を受け取って、絶望的な気分になったが、5時過ぎに順番がまわってきた。すんなり日付のチェンジにも応じてくれそうだ、明後日である2日を希望したが駄目、4日なら空いているという、仕方がない、本格的にデリー観光をしようと覚悟を決めた時、明日なら良いという。私は迷ったが、明日発つことにした、ブッダガヤーであれほど足止めをくらったのがうそのように、私は明日の夜、インドを離れることになりそうだ。

決まってしまうと嬉しくなって、バスに乗ってみると10ルピーでホテルまで帰ることができた、なんとかなるものだと感じていた。さきほどの大きなビルに行くと、お世話になった警備員がいた、礼を言うとじゃあ金をくれと言われ後味が悪い、やはりインドである。

ホテルに戻り、ひさびさのお湯シャワーを浴び、8時過ぎに夕食に出るが、店も分からずマクドナルドで済ませた。インド独自のメニューを頼んだけどまずかったが、大衆は半額以下のインドメニューを食べているようだった。夜にまた咳が出始めたがAC付で快適なので、狙い通りゆっくり休むことができた、インド最後の夜である。

朝、サービスであるモーニングをインドに来てから初めて味わう。バナナにチャイ、食パン、日本で自分が用意するものと同じくらいの粗末なものだったけど、やはり弱った体には嬉しかった。チェックアウトまで部屋で過ごし、途中コーヒーのサービスもあり快適である。

昼から重い荷物を持ってチェックアウト、お土産の購入開始を開始。ミッタルティーという紅茶専門店でダージリンティーを買う、産地直売ではないが、有名店だから間違いないだろう。高級といわれるダージリンティーを2箱、ばら売りのものも買った。

つづき

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