神よ、少しは冷静になってきましたが、この苦しみはとても抑えきれるものではありません。自分がこの世で一番哀れな人間にさえ思えます。
神「クニヤメよ、苦しかろう」
また資産を形成することも困難であろうと思います。また一から積み上げるには時間がかかり過ぎます。そしてまるで、積み上げた後に自分で壊しているかのような。また、繰り返すような気がするのです。一体自分はどうやって生きればよいのか？根本的に異なる価値観で生きなければならない気がします。
「クニヤメよ、この世には正負の法則というものがある。失っては何かを得、何かを得れば何かを失っておるということ。お主はまさに今、なにかを得ていることを忘れてはならん」
そんなものはいりません。神様、私はなにもいりませんので500万円を返してほしいのです。或いは、私うぃ～をすぐに事故死させてください。
「それはできん。前にも言うたであろう。死にたくても必要な者は死ぬことができんと。死ななければならぬ者は逆に生きることはできん。次から次に死んでいく。しかし、生きることが良い事ではない。死ぬことが悪いことではない。これらはただ因果に従うだけじゃ。それに人が名前をつけ、勝手に評価しているに過ぎない。お主の資産もそれと同じこと、亡くならなければならなかった金もまた無くならねばならんのじゃ。しかし、そのことに善悪はない」
「クニヤメよ、お主は引き換えに千に一つ、万に一つの物を得るじゃろう。それがお主にとっていいことかどうかは分からん。お主が失った大きさのものを得る、それだけじゃ。ワシにはお主の未来さえはっきりと見えておる」
神様、それは小説が新人賞を取るというようなことでしょうか？あるいは私が中国でしている日本語教師うぃ～でさえ、できる人が千に一の能力があるということなのでしょうか？
「クニヤメよ、それはどちらも違う。しかし、それがお主が受賞することを否定するものではない。それはワシがあずかり知らぬこと。お主が今体現しつつある千や万に一のものは、また別の話じゃ。お主は深い所で資産を無くさねばならんと理解し、それを行った」
神さま、私はさっぱり理解できません。私にある現実は、非モテ非リア充の40代の男が、なけなしの命をかけた貯金を無くした。ただそれだけです。
こんな自分にはなんの価値もないように思うのです。
タイやインドでの出家に希望を見出してはおりますが、それも資本主義と異性獲得競争に負け続け、逃げた者の末路のような気もしております。中国に来たことを失敗だったと結論付けた私にとっては、もうなにも信じられません。
自分を信じられません。
「クニヤメよ、全ては正道だと信じなさい。全てはこれで良かったのだと思いなさい。運命を愛しなさい。お前は未来に手にするであろう。いや、もうすでに手にしておる。失ったものと同等の対価を、そしてそれに気づくであろう」
「お主はただ絶望すればよい。生きていればよい。それがお主の運命を開くじゃろう。失ったものは変容を迫る。変容したものは、お主の価値観を変え、異なる者との出会いを生む。そこには全く新しい可能性がある。それに気づいた時、お主が失ったものは全て戻って来るはずじゃ。」
「例えお主が絶望の先にビルから飛び降りても、例えお主がバックレて今すぐインドで出家したとしても。忘れるな、それらで得られた結果はすべて正しいということを。お主が選び、叶えられたことであるならば、それは全て幸福だということを。死が、絶望が敗北なのではない。むしろそれが無いことが敗北なのだ。」
神様、私にはおっしゃられることの意味がまったく分かりません。
「それでいい。お主は生きておる。今絶望しておる。それが全ての答えじゃ。お主は正しい道を歩んでおる。その絶望は、また幸福を連れてくる。そして、生は死を連れてくる。全てのものは±ゼロ、覚えておきなさい。なにも恐れることはない。」
神様、ありがとうございました。
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それでいいんよ
う、うぃい