神様、神様。
すいませんが、瞑想を使ってテレパシーで話しかけております。
「ほう、なにやつじゃ」
クニヤメと申すものでございます。
「直接話しかけてくるとは、そなたまともではあるまいな。何の用じゃ?」
不躾なお願いなのですが、どうぞ私を不慮の事故という形で殺してはもらえないでしょうか?いえ、冗談ではなくて真剣なお願いなのです
「……」
「クニヤメと言ったか」
「なにかわけがあってのことか?」
実はギャンブル投資で800万円溶かしまして、資産が無くなりました。
自分の人生を精算したいと思っておりますが、自分を殺すという殺人だけはしとうございません。
「ほう、それで死にたいけど自殺はしたくない。そう申すか?」
はい、お察しの通りでございます。
「クニヤメよ。それはできぬ願いじゃ。人はそれぞれ寿命は決まっておるでな。若いとか、良い奴とか、そんなことは関係ない。次から次に死んでいく」
ええ、ですからそこをなんとか。私よりもっと有益な妻子のある者等と私を交換してください。率直に言えばそうです。かの、ウクライナなどには嫌々兵士となって死んでしまう人もいるでしょう。
「情けない奴じゃ」
はい、承知しております。
「早まるでない。人生はまだ続いて行く」
はい、しかしもう続けたくないのでございます。
私がしてきた苦労は壮絶なものでした。
もうあれをやりたくありません。
ペーパードライバーからいきなり都心のタクドラをやったり、いきなり無資格で日本語教師を始めたり、いきなり異国で働き始めたり、、、、、もうしとうないのです。
「全部自分でやったことじゃろう」
「そうか、まぁそれも分かる。なかなか賢いな。それも全部やらされたことなのじゃ。
お主のことを見れば全て分かる。特になにも言わんでもな」
「困ったの、ワシには言えぬ事が多い故、世界の理に関わることじゃて」
「なにかやりたいことはないのか?
死ぬ気になったらなんでもできよう」
はい、残念ながらもうなにもする気力が起きません。
「突然不慮の事故で亡くなった無数の人たちは、きっと財産は0でも生きたいと願ったはず。
しかし、まぁ叶わぬ事じゃがな」
「あれはワシらがくじ引きのようなもので決めとるじゃて」
「ワシが言えるのはクニヤメ、生死はお前たちがつかさどることではないということだ。いっそ自殺を試みてみればいい、お主は死にきれんじゃろう。或いはクジが当たれば見事に死ねる。しかし、それだけのことじゃ」
私は自殺の相談に来たのではないのです。神様。
「うん、そうじゃったな。すまんすまん。ついな」
「生きてみなさい、死ぬまで。どうせなにもかも思い通りにならぬものと思って。だいたい命はお前のものではない。自分のものではないから、命がコントロールできんのじゃ。その心と体は自分のものではない。つまり、なにか役割があるのじゃ。人間が話す善悪など超えた場所にな」
「昨日死んだ人、今日殺された人は、その者が消えねば世界が存続できないから消える。逆に言えば、今日お主がおらねば宇宙が存続できないからお主は生かされている。」
「クニヤメよ、理解できない世界の理があると知りなさい」
はい、神様。
私はインスタントラーメンを茹でます故、これにて失礼します。
「そうか、もしなにかあればまた聞きにこい。
クニヤメよ、お主は確かに死にたいほど辛いだろう。
しかし忘れるな、ワシらから見れば相応の対価を受け取るようになっておることを」
まさか、神様。
私には絶望しかありません。
ここから飛び降りれば楽になるだろうということを考える毎日です。
「いずれそれがなにかお主にも分かる。生きよ」
ありがとうございました。
