東北石油大学のこと。レベル、全国重点大学、黒竜江省大慶市。

Pocket

最近気になっている大学が、黒竜江省大慶市の東北石油大学です。

この大学、いくつかのネットで国家重点大学になっていたり、いなかったりしました。

黒竜江省の田舎になぜ全国重点大学が?

と思った私はちょっと調べてみようと思いました。

ちょうど現在隔離されているハルビンと、赴任地のチチハルの間です。

黒竜江省大慶市の中国石油大学

中国の大学を調べると必ず出てくる「中国の主要大学800」の情報を見てみます。

以下引用

沿革 清華大学の石油学科を母体として1960年に「東北石油学院」が設立。1975年に「大慶石油学院」を経て、
2010年より「東北石油大学」の校名となった。
特色 中国最大の石油石化基地である黒竜江省大慶市に所在し、黒竜江省と中国石油天然ガス、中国石油化工、
中国海洋石油が共同運営する地方重点大学。
工学を主体として人文学系の学科も備えた総合大学で、中国の石油関連業界にハイレベルな専門人材を輩出している。

中学科学院と中国工程院

中学科学院の数の多さが目立ちます。

中学科学院が5で中国工程院が1とあります。

黒竜江省でおそらく2番目に有名で偏差値も高いであろうハルビン工程大学(Harbin Engineering University)
と比較してみます。

ハルビン工程大学は中学科学院が6で中国工程院が1です。

この名門大学でその数字なので、大部分の大学、はこの中学科学院と中国工程院の数はたぶん0なのではないかと思います。

試しに最初に赴任した吉林省では一本(中国の大学の等級、一本が最難関)に入る吉林師範大学で調べてみました。

すると、やはり中学科学院と中国工程院の項目はーになっており、ありません。

吉林省では全国重点大学の吉林大学、東北師範大学に次ぐ、3~4位ぐらいの偏差値を誇ります。

普通の名門大学では0だということだと思います。

東方石油大学は、国家がかなり力を入れている重要な大学と考えて間違えなさそうです。

東北石油大学のレベル、大学ランキング

中国大学ランキングで、東北石油大学を調べてみました。

有名どころの大連交通大学より上になっていますが、重点大学のわりには低いです。

なんとなく、150位以内には入っているかなと考えていました。

ランキングは右肩上がり

ですが大学ランキングは右肩上がりで上昇中です。

今後の200位入りも夢ではなさそうです。

東北石油大学は全国重点大学の一つ

百度で調べると、東北石油大学が確かに全国重点大学であることが分かりました。

”20世紀は石油を巡って戦争をし、21世紀では水を巡って戦争をするようになる”

というのをどこかで聞いたことがありますが、やはりそれだけ石油の産出というものが大きかったということですね。

黒竜江省にはハルビン工業大学、ハルビン工程大学の3つしかありません。

また、人口一億人を誇る河南省には、そもそも重点大学が一つもありません。

これは意外なことですね。

国家重点大学の基準

ランキングは偏差値の高さとおおむね連動していると思います。

国家重点大学基準は、おそらく

  • 大学のある場所
  • 偏差値や知名度
  • 専門性の重要度

など、複合的に決まるのだろうと思われます。

東北石油大学の場合は、石油という資源がいかに大事であるかという現れでしょう。

1960年の大慶油田発見と共に誕生

大慶油田は1960年に発見された中国最大の油田です。

ウィキペディアで大慶油田を調べてみます

以下引用

1960年代の開発時には、多数の労働者を人海戦術で投入。
他国(少なくともアメリカ合衆国)の技術を用いずに施設を完成させたとして、労働者の模範的職場として賞賛され、「工業では大慶に学べ」というスローガンが生まれた。
最盛期には日本の原油輸入量の3割に相当する年間5000万トン以上の生産量を誇った。しかし、中華人民共和国の世界貿易機関加盟により国際的な価格競争にさらされ、1990年代以降は著しい合理化が進められた。この結果、労働者の大量リストラ、レイオフが発生。中国では珍しい退職者も含めた大規模デモが発生した。また、大規模な天然ガス噴出事故に伴う労働災害が発生するなど、中国における労働者事情を語る上で、未だ頻出するキーワードの一つとなっている。

中国最高峰の精華大学の石油学科を母体としたということは、おそらく当時の国家プロジェクトとして大慶での油田開発研究が行われたことが分かります。

学院から大学へ昇格

東北石油学院が開設され大慶石油学院になり45年後に、東北石油大学に昇格しています。

○○学院という国家重点大学はないので、やはり大学名も重要ですね。

東北石油大学と日本語学科

東北石油大学にも外国語学部がある。

残念ながら日本語科はなく、英語とロシア語だけが確認できた。

三峡ダムと三峡大学

ここで、私はもう一つのある大学が気になりました。

湖北省宜昌市の三峡大学です。

日本語学科もある、かなり優秀な大学です。

三峡ダムも、国家の威信をかけた一大プロジェクトで、水力発電でウハウハのドル箱施設のはずです。

そして、それを管理する目的だけのために三峡大学があるといってもいいと思います。

ですが、三峡大学が国家重点大学というのを聞いたことがありません。

ランキングを調べてみました。

ありました。

167位、東北石油大学よりも上です。

また寧夏回族自治区で一番偏差値の高い寧夏大学よりも上です。

しかし、国家重点大学ではありません。

湖北省は5つの全国重点大学を抱えていますから、その中にいれてもいいような気はします。

やはり、水利より石油ということなのでしょうか。

以上、東北石油大学についてのレポートでした。

今後も気になる大学があれば、調べてみたいと思います。

にほんブログ村 海外生活ブログへ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする